【Android】
Androidのクローズドテストを個人(一人)でクリアした体験談を元に突破する方法を紹介

一人でクローズドテストを突破しよう!

投稿日 2025/07/09 更新日 2025/07/09


こんにちは。アプリ開発歴6年目の「元木皇天」です。

今回は、Androidアプリをリリースする際に避けては通れない、「クローズドテスト」の審査を一人で突破する方法について、体験談を元にお話ししたいと思います。

また、参考までに私がGoogleの審査に提出した申請文も合わせて公開したいと思います。

やりたいこと

他者に手伝ってもらうことなく、完全に一人でクローズドテストの審査をクリアする

筆者のAndroidアプリ開発の経歴

本題に入る前に、私のAndroidアプリ開発経験を紹介しておきます。

実は、2025年7月時点でAndroidアプリ開発経験は3ヶ月です(笑)

元々、SwiftUIでのiOSアプリ開発を5年間やってたのですが、気分転換にFlutterでアプリを今回作ってみようという感じです。

Flutterはクロスプラットフォームなので、iOSだけでなく、ついでにAndroidもアプリを出そうと思ったのですが、これが地獄の始まりでしたね...w

こんな人でもAndroidアプリが無事にリリースできたので、よかったら参考にしてみてください。

ちなみに、クローズドテストの審査には2回落ちました...。


Xもフォローしてくれると嬉しいです

https://x.com/motoki_HMC

リリースしたアプリの紹介

今回リリースしたアプリはこちらです。

以後、この記事ではこちらのアプリのクローズドテストをクリアした際のことを記載していきます。

よかったらインストールもしてくれると嬉しいです。

クローズドテストの審査を合格するための条件

前提として、2025年7月時点のクローズドテストの審査合格条件は以下の通りです。

・12人以上のユーザに14日間連続でアプリをテストしてもらう

一人でクローズドテストを合格するために準備するもの

クローズドテストを一人で合格するには、以下のものが最低限必要です。

  • Googleアカウント×12
  • androidバージョン9以上を対象としたアプリ
  • Androidスマートフォン(実機)×12

こちらが必要です。順番に詳細を説明します。


まず、Googleアカウントが12個必要です(テスター12人を偽造するため)。

一度にアカウントをたくさん作ろうとすると「これ以上は作れない」と制限が入るので注意が必要です。

一定日数経過すると、再度アカウントを作成できるようにはなります。

急いでいない人であれば、一定日数を待ってゆっくりアカウントを用意すればOKです。


急ぎの人は、「povo」などの0円から使える格安SIMを契約して電話番号を複数所持するのが個人的にお勧めです。

そんな感じで、Googleアカウントを12個揃えてください。



次に「androidバージョン9以上を対象としているアプリ」を用意します。

アプリの対象OSがandroidバージョン9以上に対応できていない場合は、対応できるように修正しておくことを強くお勧めします

理由はこの後のスマートフォン12台の準備で記載します。



最後に、Androidスマートフォン(実機)を12台用意します。

12台用意する方法ですが、私の場合は以下の方法で入手しました。

  • 秋葉原の中古スマホショップ
  • メルカリ
  • Yahooフリマ

ここで、アプリの対応バージョンが9以上であることが活きてきます。

というのも、中古スマホとはいえandroidのバージョンが12以上の端末となってくると普通に1万円以上します。

一方で、androidバージョン9や10あたりの機種であれば、中古で3000円〜5000円とかで買えます。

さらに、メルカリやYahooフリマ特有の、「クレジットカード新規加入で〇〇ポイントプレゼント」や「クーポン」などを駆使すると、意外と安く購入することもできます。

このように、スマホ12台の購入コストを下げるためにも、androidバージョン9以上を対象とするアプリにしておくのがお勧めです。

参考までに、僕の場合は約7万円ほどかかりました...。

1台だけ、Google Pixelにしたかったこともあり、それが3万円しました。

残り11台で4万円という感じの内訳です。


そんな感じで頑張って12台のスマホを用意します。


※私が用意したスマホです

12台のスマートフォン

補足
Q: Android Studioのシミュレーターではダメなのか?
A: おそらくダメかと思われます。一度12台全てシミュレータでやったのですが審査に落ちました...。

14日間でやるべきこと

14日間でやるべきことは3つあります。

  1. 14日間、毎日欠かさずに12台のスマホを開いてアプリを操作する
  2. 2,3回ほどアップデートを入れる
  3. 各スマホから定期的にGoogle Play Storeのフィードバック機能を使ってフィードバックを送る

順番に詳細を書きます。



アプリの操作についてですが、私の場合は1分ほど操作した後にアプリを開いた画面のまま10分くらい放置しておきました。

時間があるときは真面目にテストしていますが、毎日そんなことをしていたら疲れるので、基本はたいして操作しなかったです。


また、Googleに同一のIPアドレスから12台のスマホがアプリを開いていると検知されたら厄介だと思ったので、全てのスマホにVPNのアプリを入れて、常時VPN経由で通信するようにしていました(この対策が必要だったのかは不明)。

参考までに、私が使用していたVPNアプリは以下のものです。無料かつアカウントの作成が不要だったのでこちらを採用しました。

Proton VPN



アップデートについてですが、当然テスト期間なので修正が入るのが当たり前です。

特に不具合がない場合は、軽くPaddingをいじって出すとかでもいいと思います。

とにかくアップデートがクローズドテスト期間内に2,3回行われたというのが大事です。

そして、アップデートを配信したら、忘れずに各スマホでアプリのアップデートを行なってください。



最後に、なんでもいいので各スマホからGoogle Play Store経由でフィードバックを送ってください。

「使い勝手がいい」とか適当でもいいし、真っ当な改善点を送ってもいいと思います。

また、この時のフィードバック内容はどこかにまとめておくことをお勧めします

理由はGoogleに申請する際に必要だからです。

Googleの審査に提出する文章について

さて、ここまでくればあとすこし。

Googleにクローズドテストが完了したことを申請します。

各質問とそれに対する文章を載せておきますので、よかったら参考にしてみてください(一部虚偽の内容がありますが、審査を通るために仕方なく書いています)。

想像ですが、ある程度文字数は必要だと思います。



Q: クローズドテストのユーザーをどのように募集しましたか?(例: 友人や家族を誘った、有料のテスト提供者を利用した)

A: 友人・知人・家族テスターに依頼して募集しました。
それでも足りない人数については、AndroidクローズドテストコミュニティやXなどのソーシャルメディアを活用して募集しました。



Q: アプリのテスターは簡単に募集できましたか?

A: 難しい(選択式)



Q: クローズドテスト中にテスターが行った操作について説明してください

A: テスターには、アプリをインストールをしてもらい、自由に全ての機能を操作してもらいました。
その後、気になる点などをGoogle Play Store または Discordを使用してフィードバックを送ってもらいました。
フィードバックを受けて修正した部分については、修正した内容をテスターに説明し、アプリをアップデートしてもらって該当箇所を含めて再度全ての機能を自由に操作してもらいました。



Q: テスターからのフィードバックについて、概要を記入してください。フィードバックの収集方法も記入してください。

A: 軽微なUIの改善提案や機能の説明文章の追記提案、対応OSのバージョン拡大助言などのフィードバックをもらいました。
また、フィードバックの中にクラッシュや致命的な不具合に関する報告はありませんでした。

フィードバックの収集方法については、Play Storeのフィードバック機能 または Discordを使用して収集しました。
テキストだけでは分かりにくい部分については、追加でスクリーンショットを送ってもらい、フィードバック箇所を明確にしました。
フィードバックを修正した後に再度アプリを更新してもらい、修正箇所が正しく修正されている場合は問題ない旨のフィードバックを送ってもらいました。



Q: アプリの対象ユーザーは誰ですか?

A: 本アプリの主な対象ユーザーは、読書を日常的に行う一般ユーザーや、自身の読書履歴や蔵書情報をきちんと管理したいと考えている学生・社会人です。
単なる読書記録だけでなく、「自分がどの本を持っているか(所持本)」といった蔵書の管理機能も備えており、2つの役割を果たします。
ジャンルを問わず本を読む方を想定しており、読書履歴の可視化や、再読管理、読みたい本のストックなどに関心がある方に向けています。



Q: アプリがユーザーにどのような価値をもたらすのか説明してください

A: 本アプリは、ユーザーが「読んだ本」「読みたい本」「再読したい本」だけでなく、自分が現在所持している本(蔵書)を一覧で管理・確認できる機能を備えています。
これにより、二重購入の防止や、持っている本と未読本の整理が簡単にできるようになります。
また、読書履歴や所持本の情報は、ジャンルやタグで分類したり、自由にメモを残したりできるため、個人に最適化された「自分だけの本棚」や「読書ログ」が形成されるのが大きな価値です。
このように、本アプリは単なる記録アプリにとどまらず、読書生活の効率化・可視化・習慣化をサポートする総合的なツールとして、幅広いユーザーに価値を提供します。



Q: クローズドテストでわかったことに基づいて、アプリにどのような変更を加えましたか?

A: クローズドテストを通して得られたフィードバックをもとに、複数の改善を行いました。
具体的な変更点は以下の通りです。
・タグ一覧で削除メッセージが表示されるようにしました。
・特殊文字を正しく1文字とカウントできるようにしました。
・価格の小数点以下の表示の扱いを改善しました。
・一部の項目名をよりネイティブに近い表現に改善しました。



Q: アプリが製品版として準備ができたかどうかを、どのような方法で判断しましたか?

クローズドテストにおいて、致命的な不具合やクラッシュが報告されなかったことを確認しました。
また、フィードバックの内容の内、新規機能の要望以外についてを全て修正して再度リリースを行い、テスターから修正前と比較して改善されていることを報告してもらっています。
テスターの中には、このまま引き続き使用したいという意見もあり、製品版として十分な品質を担保できていると判断しました。
また、新規機能の要望(集計機能)については、大きな開発期間が必要なため、次回以降のアップデートで対応する予定です。



Q: 追加テストを行なった結果どのような変更を加えましたか?(原文保存し忘れましたがこんな感じの質問でした)

A: 最新のクローズドテストを通して得られたフィードバックをもとに、複数の改善を行いました。
具体的な変更点は以下の通りです。
・スナックバーの表示時間を短くし、ユーザー体験の向上を図りました。
・Android9以上のOSに対応するように、より多くのユーザーに使ってもらえるようにしました。
・サブスクリプションの説明文章をより分かりやすく改善しました。
・「OPPO」の機種でのみ、バーコードが読み取れない不具合を改善しました。
・画像を圧縮してから保存するようにし、ストレージを圧迫しないようにしました。



文章のポイント
1. クラッシュが報告されなかった旨を記載する
2. フィードバックの中で今回修正できなかったものは次回アップデートで対応する旨を記載する
3. テスターにはアプリを自由に操作してもらった旨を記載する(テスト仕様書に沿って操作してもらったはNG)

まとめ

Androidアプリを個人で出すのはやめた方がいいかもしれない。

参考文献・おすすめ文献

Zenn 【2025年2月】Androidクローズドテストをクリアする要点まとめ